2009年5月27日水曜日

VIST vs STOCKLI

VISTとSTOCKLIの両スキーの特徴を検証してみた。VISTが登場した当時、固くて強いスキーという印象を持つユーザーも多かったようだが、実はVISTのスキーを手であおって見ると驚くほど軟らかい、自重だけでスキーが撓り、スキーが雪に張り付くような感覚を持つ、ここまで軟らかい板は通常だと耐久性に不安を持つので市販の板として製作するのは難しかった。それでもVISTはプレートのフレックス感を生かすため、あえてしなやかさにこだわり、丁寧な職人が手作りで作るイタリアの工房で製作されている。そのしなやかさにより固いバーンでも安心感を持てる足場ができ、体力が衰えた方でも素直に捉えてくれるスキーに仕上がったのである。VIST SKIは、本物にこだわり、おしゃれに乗りこなすセレブレティーなスキーヤーに納得の一本となるに違いない。



対するストックリは、まさにスイスの緻密な職人が作り上げた戦闘機のという感覚だ。特にFIS対応のモデルは張りも強く返りも強烈な、レスポンスをフルに求めたスキーに仕上がっている。ハードパックされた急斜面をスキーの反発を利用して方向を決めて行きたいレーサーの為のスキーにというにふさわしい。エッジのON&OFFをハッキリと感じられるようにダイレクトに足元に反応してくれる感覚で、短い時間でエッジングを終了させ、縦にスキーを向けていくことが可能な純競技用である。FIS対応より多少レスポンスを下げたプロパーのタイプは、しっかりと仕上げたい方にお勧めとなる。



いずれにしてもVIST STOCKLI、両者のスキーはまったく性質の違うスキーとして打ち出されている。是非、今週のSKI FORUMで確かめてほしい。